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角田裕毅は反省「チームのせいというより僕のせい」ルーキー加入で言動に変化も (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【角田の成長がはっきりと見えたレース週末】

 しかし、角田は「この選択を後悔していない」とサバサバしていた。

 マクラーレンやメルセデスAMGと同じ戦略を採ったとしても、そもそもマシンの実力が違う彼らを抑え続けるのが難しいことはわかっていた。その状況下でポイントを狙いたかったからこそ、彼らとは異なる戦略に望みをかけた。それがうまくいかなかったというだけだ。

 惜しむらくは、予選でトラフィックに引っかかって「実力を出しきれなかったこと」と角田は言った。

「不完全燃焼で終わっちゃったなという気分です。今週のマシンはそのパフォーマンスを最大限に引き出すことができなかった。特に予選では、もっと上位に行けるペースがあったと思います。

 でも、レースでは自分の全力は出しきれたと思いますし、全体を見るかぎり、今日はどんな展開になってもポイント獲得は難しかったのではないかと思います。

 どっちの戦略を採ったにしろ厳しかった、というのがあるので、後悔はないです。レースペースは思ったよりよくなかったので、そこは今後に向けた課題ですね」

ダニエル・リカルドの代役に抜擢されたリアム・ローソンダニエル・リカルドの代役に抜擢されたリアム・ローソンこの記事に関連する写真を見る 実は予選を終えたあと、角田はQ3に進むポテンシャルがあったにもかかわらず、それを果たせなかった原因は「チームのミスというより僕のせいです」と明かした。

 自分が路面やタイヤの状況を詳細にフィードバックしていれば、チームも濡れた路面でインターミディエイトタイヤをうまく使う戦略を見いだせた可能性がある。

 チームの戦略ミスを責めるのではなく、その戦略ミスの原因は自分にあると言ったその姿勢は、間違いなくチームリーダーとしての意識の表われだ。

 他責ではなく、自分の改善すべき点に目を向けてさらに成長しなければならない──そこに、はっきりと角田の成長が見えた。ダニエル・リカルドが金曜フリー走行で負傷し、新人リアム・ローソンを迎えたことで、その意識もより強くなったのだろう。

 今回はポイントを獲ることはできなかった。しかし、角田の成長がはっきりと見えたレース週末だった。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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