角田裕毅は反省「チームのせいというより僕のせい」ルーキー加入で言動に変化も (2ページ目)
【約21秒のピットロスタイムはあっという間に...】
これに対し、角田とアルファタウリはステイアウトし、ソフトタイヤのまま最後まで走りきる戦略を選んだ。
「残り30周、最後まで行けるか?」
チームからの無線に対し角田は「そう思う」と答え、チームはステイアウトを決断した。
金曜フリー走行のデータから「ソフトタイヤのデグラデーション(性能低下)が小さい」と読んでいたアルファタウリは、ライバルよりもピットストップを減らすことで後方グリッドから状況を打開する戦略でいくことをレース前に決めていた。
周りと異なりフリーエアで走ることでレースペースのよさを生かす戦略は、シーズン前半戦最後のハンガリーGPやベルギーGPで成功を収めてきたものであり、それ自体は正しい判断だ。
そして実際に走っているデータと、角田自身からのフィードバックを受けて、チームはそのプランどおりに行くことを決めた。
「ソフトタイヤのままステイアウトして最後まで走りきる──という僕たちの採った戦略は、レース前に話し合ってチーム全体で合意して選んだものでした。実際にタイヤのグリップレベルも、そんなに悪くはありませんでした。
でも、新品タイヤとの差があんなに大きいとは思いませんでした。フリー走行ではソフトのパフォーマンスがよかったので、まさか新品タイヤ勢とのペースの差があそこまであるとは思わず、かなり予想外でした。なので、戦略がうまくいかなかったんです」
もしタイヤのデグラデーションが小さいのなら、この戦略は正解だった。見た目上はたしかにデグラデーションは小さく、ということは新品タイヤを履いてもペースはそれほど上がらないはずだった。
だが、現実は違った。
土曜の雨で、路面コンディションがリセットされたところからのレース。路面は急速によくなっていき、そのためペースが上がっていったが、角田のマシンのタイヤ自体は大きくタレていたのだ。
その使い込んだタイヤに比べて、ノリスらが履いたフレッシュなソフトタイヤは角田よりも1.5秒以上も速く、約21秒のピットロスタイムはあっという間に取り戻されてしまった。同様に、タイヤ交換をして一度は角田の後方になったドライバーたちも、次々と角田を抜いていった。
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