F1参戦10チーム&ドライバー紹介・前編「レッドブル、フェラーリ、メルセデスAMGの力関係は?」「中団グループ台風の目は?」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

アルピーヌA523アルピーヌA523この記事に関連する写真を見る【アルピーヌ】

 ルノーからアルピーヌへと移行して2年目の昨年、中団グループ最上位のランキング4位に浮上してみせた。今季はピエール・ガスリーが加わり、エステバン・オコンと並んでフランス人ふたりのドライバーラインナップとなって、より"フランス色"が強くなった。

 それはチーム体制にも言える。チーム代表は昨年タイトルスポンサーのBWTとともに電撃的に加入したオトマー・サフナウアーが引き続き務めるものの、チームの実権はフランス側が堅持している。

 ルノー本社ルカ・デ・メオCEO、そしてその子会社であるアルピーヌのローラン・ロッシCEOと、船頭が多いのは気がかりだ。昨年のエースであったフェルナンド・アロンソ、育成のオスカー・ピアストリが揃ってチームを離脱したのもその影響だ。

 マシン開発面でも、昨年序盤に責任者パット・フライが一歩退いた。代わってテクニカルディレクターに就任したマット・ハーマンは、元メルセデスAMGのパワーユニット・ギアボックス側開発者という異色の経歴。

 フランス側PU開発部隊とイギリス側車体開発部隊の連携に、少なからず課題を抱え続けてきたこのチームだけに、こうした人事はマシン開発及びレース運営もフランス側主導へとシフトしていこう、という意思の表われだろう。

 開幕前テストではロングランに専念して黙々と走り込みを続け、実力をひけらかすようなことはしなかった。1980年代のトールマンからベネトン、ルノーと数々の成功を収めてきたイギリス・エンストンのチームだが、こうしたフランス側主導のチーム運営が功を奏すのかどうか見物だ。


<No.31/エステバン・オコン>
1996年9月17日生まれ(26歳)フランス国籍。F1経歴=マノー(2016)→フォースインディア(2017〜2018)→レーシングポイント(2018)→ルノー(2020)→アルピーヌ(2021〜)。優勝=1回。2022年ドライバーズランキング8位。

<No.10/ピエール・ガスリー>
1996年2月7日生まれ(27歳)フランス国籍。F1経歴=トロロッソ(2017〜2018)→レッドブル(2019)→トロロッソ(2019)→アルファタウリ(2020〜2022)→アルピーヌ(2023〜)。優勝=1回。2022年ドライバーズランキング14位。  

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