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F1参戦10チーム&ドライバー紹介・前編「レッドブル、フェラーリ、メルセデスAMGの力関係は?」「中団グループ台風の目は?」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

メルセデスW14メルセデスW14この記事に関連する写真を見る【メルセデスAMG】

 昨年8年連続の王座から陥落したメルセデスAMGは、昨年型マシンの問題点を究明し、失敗と槍玉に挙げられたゼロポッドコンセプト自体にはポテンシャルがあることを確認したうえで、これを踏襲して新車W14を作り上げてきた。

 サイドポッド前端はさらにスリムに、そして後方はややワイドに。そうすることで、昨年苦しんだバウンシングや挙動の不安定さといった問題は解決してきている。

 開幕前テストでは、2023年型タイヤの特性に起因するリアの不安定さに苦戦していた。だが、セットアップが煮詰まってゼロポッドコンセプトが持つポテンシャルを最大限に引き出せた時、どれほどの速さを発揮できるのか、ライバルたちも警戒している。

 戦略責任者のジェームズ・ヴァウルズがウイリアムズに移籍したが、すでに昨年途中から戦略チームの権限移譲は進んでおり、チームとしての体制に変化はない。とはいえ、昨年も幾度か見られたように戦略面の勝ちにこだわる姿勢が揺らいでいるのはたしかなだけに、強化が急務と言えそうだ。

 ルイス・ハミルトンは38歳を迎えたが走りに衰えは見せず、さらなる結果と複数年契約を視野に入れている。昨年メルセデスAMGに昇格して初優勝を経験したジョージ・ラッセルは、タイヤマネージメント面ではハミルトンに後れを取っていることを認めるが、逆に言えば速さでは7度の王者に引けを取らないと自負しているとも言える。

 昨年のつまずきから復調するのに約6カ月の後れを取ったメルセデスAMGは、現時点でもまだトップに立てるとは思っていないという。しかし、根本的問題を解消した彼らがどれほどのスピードで追いかけてくるのか、興味深いところだ。


<No.63/ジョージ・ラッセル>
1998年2月15日生まれ(25歳)イギリス国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2019〜2020)→メルセデス(2020)→ウイリアムズ(2021)→メルセデス(2022〜)。優勝=1回。2022年ドライバーズランキング4位。

<No.44/ルイス・ハミルトン>
1985年1月7日生まれ(38歳)イギリス国籍。F1経歴=マクラーレン(2007〜2012)→メルセデス(2013〜)。優勝=103回。2022年ドライバーズランキング6位。

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