F1参戦10チーム&ドライバー紹介・後編「角田裕毅にエースの自覚?」「アルファタウリのダウンフォース不足は解決した?」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

2023シーズンF1参戦10チーム紹介(後編)

◆前編>>「レッドブル、フェラーリ、メルセデスAMGの力関係は?」「台風の目は?」

 2023シーズンのF1選手権は3月5日にバーレーンにて開幕。世界中を巡るF1サーカスは、西アジア・中東からスタートする。開催数23は史上最多。日本GPは9月下旬の第17戦に予定されている。

 2月初旬から続々と発表されたニューマシンは、開幕前のテストで本格的なお披露目となった。今年はどんな特徴があるのか、全10チームの2023年版マシンを紹介する。

◆F1ニューマシン最新フォトギャラリー>>

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 昨年ランキング6位と飛躍したアルファロメオ。チームの母体であるザウバーが2026年からアウディとして生まれ変わることも決まり、アルファロメオとしての参戦はこれが最後のシーズンとなる。

 フレデリック・バスール代表がフェラーリに移籍し、アウディ移行に向けてマクラーレン代表のアンドレアス・ザイドルがザウバーのCEOに就任した。「アルファロメオとの最終年をすばらしいかたちで終える」としつつも、チームはすでにアウディとの提携に向けて大きく舵を切っている。

 フェラーリとの技術提携をベースに、ザウバー及びアルファロメオはマシン設計とレース運営を続けてきた。だが、アウディ時代を見据えて、その依存度を下げる。

 昨年からギアボックス外殻は自社製にシフトし、リアサスペンションの設計自由度を確保。テクニカルディレクターのヤン・モンショーも、2018年にザウバー入りするまではアウディのルマンプロジェクトで空力責任者を務めていた人物だ。

 バルテリ・ボッタスは11年目ながらまだ33歳で、昨年は新天地アルファロメオで堅実な走りであらためて評価を上げた。派手さはないが10勝を挙げた経験を持つボッタス自身も、2026年を意識してチーム内でのさらなる地位確立を目指している。

 中国人初のF1ドライバーとなった周冠宇は2年目を迎える。昨年はトラブルで入賞チャンスを逃したことも少なくなかったが、今季はマシンの後半部分が刷新されて、空力性能が向上しただけでなく冷却系の問題が解決しているため、周の堅実なドライビングが結果に結びつく機会も増えそうだ。


<No.77/バルテリ・ボッタス>
1989年8月28日生まれ(33歳)フィンランド国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2013〜2016)→メルセデス(2017〜2021)→アルファロメオ(2022〜)。優勝=10回。2022年ドライバーズランキング10位。

<No.24/周冠宇>
1999年5月30日生まれ(23歳)中国国籍。F1経歴=アルファロメオ(2022〜)。最高位=8位。2022年ドライバーズランキング18位。

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