F1参戦10チーム&ドライバー紹介・後編「角田裕毅にエースの自覚?」「アルファタウリのダウンフォース不足は解決した?」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

アストンマーティンAMR23アストンマーティンAMR23この記事に関連する写真を見る【アストンマーティン】

 中団グループで最も注目を集めるアストンマーティン。レッドブルから獲得したダン・ファロウズをテクニカルディレクターに据え、メルセデスAMGやアルファロメオなどからも設計責任者級の人材を次々と獲得した。

 カナダの富豪ローレンス・ストロールによる大型投資によって建設が進められてきた3倍規模の新型ファクトリーもついに稼働。5カ年計画の3年目として中団トップから3強チームとのギャップ縮小に挑む。

 新体制で初めて生み出されたマシンAMR23は、昨シーズン途中でレッドブルタイプのコンセプトに倣った昨年型からの正常進化型だ。しかし95%は刷新しており、斬新な空洞を持つサイドポッドなどアグレッシブなマシン開発を行なってきている。

 今後はさらにシーズンを通して開発を進め、来季以降のさらなる飛躍に向けたベース作りをするという。つまり彼らのターゲットは、大型レギュレーション変更前の2024年・25年だ。

 ランス・ストロールは7年目で3度の表彰台経験があり、F1参戦以前もユーロF3王座を獲得するなど、ただのペイドライバーでは決してない。昨年も8度の入賞を果たすなど、堅実な走りを見せている。

 エースドライバーには2度の世界王者フェルナンド・アロンソが加入。41歳のアロンソは「F1にショートカットはない。投資・才能・設備が必要で、このチームにはそのすべてがある。あとは時間の問題。ただし、自分の時間が無限でないこともわかっている」と語り、これを自身のキャリア最後の挑戦と位置づけている。

「まずは中団トップに立ち、トップ3との差を縮めていく」と地に足を着けた姿勢が、アロンソの本気さを表わしている。


<No.14/フェルナンド・アロンソ>
1981年7月29日生まれ(41歳)スペイン国籍。F1経歴=ミナルディ(2001)→ルノー(2003〜2006)→マクラーレン(2007)→ルノー(2008〜2009)→フェラーリ(2010〜2014)→マクラーレン(2015〜2018)→アルピーヌ(2021〜2022)→アストンマーティン(2023〜)。優勝=32回。2022年ドライバーズランキング9位。

<No.18/ランス・ストロール>
1998年10月29日生まれ(24歳)カナダ国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2017〜2018)→レーシングポイント(2019〜2020)→アストンマーティン(2021〜)。最高位=3位。2022年ドライバーズランキング15位。

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