F1参戦10チーム&ドライバー紹介・後編「角田裕毅にエースの自覚?」「アルファタウリのダウンフォース不足は解決した?」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

ハースVF-23ハースVF-23この記事に関連する写真を見る【ハース】

 チーム創設以来、フェラーリとの技術提携をベースに運営してきたハース。2022年からそのコラボレーションを強化し、マラネロにオフィスを置くことでエンジニアの出向や風洞といったファクトリー施設の利用など、さらなるチーム強化を図ってきた。その甲斐あってチームは最下位からランキング8位に浮上し、マシンはそれ以上のパフォーマンスを秘めていた。

 2023年もその体制を維持して、フェラーリ型のマシンコンセプトをさらに進化させてきた。マシン開発の指揮はフェラーリ出身のシモーネ・レスタが執り、現場の技術面は小松礼雄エンジニアリングディレクターが取り仕切る。新たにタイトルスポンサーを迎えて資金面も強化し、シーズン中の開発も今季はさらに充実するはずだ。

 昨年開幕直前にニキータ・マゼピンの離脱に伴い、急遽呼び戻されたケビン・マグヌッセンは、今季もハースでのシートを継続。キャリア8年目、そのうち6年がハースでの走行と、チームから大きな信頼を得ている。

 マグヌッセンのチームメイトは35歳のニコ・ヒュルケンベルグ。3年のブランクを経て、現役復帰を果たした。

 純粋な速さに関して、ヒュルケンベルグは多くのエンジニアから高い評価を得ている。昨年事故の多かったミック・シューマッハに代えて堅実な結果を求めての起用だが、過去3年間はリザーブドライバーとして3戦に代役出場したのみで、体力面・反射神経面での準備不足が懸念されている。

 この現役復帰によって、表彰台未経験レース数で過去最多という不名誉な記録にストップがかけられるか、それとも記録が伸びてしまうのか。ただしチームとしては両ドライバーに確実にポイントを重ね、コンストラクターズランキングを浮上させてくれることを期待しているはずだ。


<N0.20/ケビン・マグヌッセン>
1992年10月5日生まれ(30歳)デンマーク国籍。F1経歴=マクラーレン(2014〜2015)→ルノー(2016)→ハース(2017〜2020、2022〜)。最高位=2位。2022年ドライバーズランキング13位。

<No.27/ニコ・ヒュルケンベルグ>
1987年8月19日生まれ(35歳)ドイツ国籍。F1経歴=ウイリアムズ(2010)→フォースインディア(2012)→ザウバー(2013)→フォースインディア(2014〜2016)→ルノー(2017〜2019)→レーシングポイント(2020)→アストンマーティン(2022)→ハース(2023〜)。最高位=4位。2022年ドライバーズランキング22位。

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