「ルクレールには負荷がかかりすぎている」。現役ドライバーだからこそ理解できる、フェラーリドライバーのストレス (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【無線でのルクレールの叫び】

 前編でも触れたように、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はドライバーとして求められる以上の仕事をこなさなければならず、それが結果としてミスにつながる場面も少なくなかったと松下は見ている。

「チャールズ(ルクレール)の無線を聞いていると、"叫び"が多いですよね。ストレスを発散させるような叫び。それに表われていると思います。

 自分がコントロールできない要素でレースを落とす......というのがあまりに多いので、それもレースと言えばそうなんだけど、言い方はおかしいかも知れないけど、マックスとルクレールの戦いがフェアに見えないくらい差があるなっていう。ドライバーがやらなきゃいけないチェックリストが多すぎて、ドライバーがやらなくてもいい負荷がかかりすぎているんですよね」

◆松下信治・後編に続く>>後輩・角田裕毅にあえて厳しい言葉「トップで花を咲かせるには...」


【profile】
松下信治(まつした・のぶはる
1993年10月13日生まれ、埼玉県さいたま市出身。4歳の時にF1日本GPを観戦して「F1レーサーになる」夢を持つ。幼少期からカートで腕を磨き、2011年に鈴鹿サーキットレーシングスクールに入校して首席で卒業。2014年に全日本F3で王者となって2015年からGP2シリーズを主戦場とする。2016年・2017年はマクラーレン・ホンダのテストドライバーを経験。2020年途中から日本に戻り、昨季はスーパーフォーミュラ初優勝を飾った。

【筆者プロフィール】米家峰起(よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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