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角田裕毅、自己最高位でも笑顔なし。同僚ガスリーとの差は開くばかり (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 その点において、前戦でクラッシュしたフェルスタッペンのパワーユニットと、今回クラッシュしたセルジオ・ペレスのパワーユニットがダメージを負い、継続使用が難しそうな事実は大きな不利となる。年間3基の規定を守ることが難しくなり、後半戦のどこかで最後尾スタートのペナルティを受けなければならない可能性が高くなった。

「予選後、クルマが戻って来たところでカウルを外してマシンの各部をチェックするのですが、その段階でクラック(亀裂)を発見しました。前回のクラッシュで大きなストレスのかかった車体側と、ギアボックス側の締結点とその周辺を入念にチェックし、予選前はまったく異常はありませんでしたが、少しオイルがにじみ出しているような状態でした」(ホンダ・田辺豊治テクニカルディレクター)

ダブル入賞を果たしたアルファタウリ・ホンダの2台ダブル入賞を果たしたアルファタウリ・ホンダの2台この記事に関連する写真を見る ペレス車は1周目の事故で車体側面のラジエターにダメージを負って冷却水を大幅に失い、ターン11まで走行したところでデータ上に異常が出た。こちらも継続使用は難しそうな見込みだという。

 ただし、グリッド降格ペナルティと言っても、ソチのように追い抜きが容易なサーキットであれば中団勢を抜いて上位まで挽回することは可能で、レースを丸ごと失うわけではない。むしろ4基目を投入することのアドバンテージを最大限に生かした"やりくり"で、シーズン後半戦を戦うこともできるかもしれない。

 一方、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)にとっても、ハンガリーGPはシーズン前半戦を象徴するようなレースになった。

 第7戦フランスGPのQ1クラッシュで猛省した角田は、翌戦のシュタイアーマルクGPから慎重なアプローチを採り入れた。だが、ここハンガロリンクでは再びFP1で縁石にタイヤを乗せてスピンし、リアエンドを壊して金曜フリー走行を大幅に失うというミスを犯してしまった。

 ミス自体は、ほんの些細なケアレスミスだ。だが、金曜に一歩ずつマシンとサーキットを習熟していくというプロセスができず、ロングランもできずに後手後手に回ったことで、予選アタックも力を出し切れずにQ1敗退となってしまった。

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