角田裕毅「今まで経験したことがない」。テスト走行2番手で驚愕したこと (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 それでも、最終日には最もコンディションのいい午後の走行を担当し、2週間後に行なわれるバーレーンGP決勝と同じ57周を2度のピットストップを交えながら連続走行でフルレースシミュレーションを完遂。そしてセッション最後の1時間には最も柔らかくグリップの高いC4タイヤの新品で3回、最後にC5タイヤを履いて2回のタイムアタックを行ない、1分29秒053の2番手タイムを記録してみせた。

「今日はとてもいい1日になりましたね。トラブルもなかったし、自分自身のドライビングに集中できたので、かなり前進できました。初日と2日目は不運が続きましたけど、最終日にこうしてまとめ上げることができてよかったです」

 メインストレートで本来のエリアより170メートルほど早くDRSをオープンにした影響も多少あるが、それでもアタックのたびにタイムを縮めてみせたのは、初めて経験するマシンとタイヤの限界値をしっかりと学習していったことを意味している。

「最も楽しかったのは、やはりC5タイヤを履いてアタックした時ですね。ものすごいグリップだったし、ああいうグリップレベルは今までに経験したことがありませんでした。

(今後の課題は)マシンのダウンフォースレベルを信じて高速コーナーに飛び込んでいくことに慣れるという点ですね。まだ完璧とは言えませんけど、進歩してきています。イモラやミサノでのテストでは格段にグリップの低いタイヤでの走行でしたし、今回はすごく楽しかったです」

 マックス・フェルスタッペンのトップタイムとは、わずか0.093秒差。とはいえ、フェルスタッペンは一段階ハードなC4タイヤであり、2回目のアタックはトラフィックに引っかかってタイムを伸ばせていない。また、フェルスタッペンは他車よりも20〜30mほど手前でブレーキを踏んでおり、重めの燃料を積んでいたことも推測できる。そう考えれば、レッドブルとアルファタウリの実際のタイム差はもっと大きなものになるだろう。

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