角田裕毅「今まで経験したことがない」。テスト走行2番手で驚愕したこと (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ロングランペースを見るかぎり、中団グループではマクラーレンがやや優勢で、アストンマーティンやアルピーヌも良好なペースを見せている。つまり、勢力図は昨年から大きく変わることなく、角田とアルファタウリは今季も大激戦のなかでの入賞争いを演じることになるだろう。

 いきなりチームメイトのピエール・ガスリーを上回るのはそう簡単なことではないし、この激戦区でQ3に進むことも容易ではない。角田が挑もうとしているのは、そういう挑戦だ。

 そしてホンダも、新型コロナウイルスの感染拡大により一時は開発凍結した新骨格のパワーユニットを、F1参戦最終年となる2021年に間に合わせてきた。

 パワーアップを図るべく、燃焼室形状やバルブ挟み角を変更し、それを可能にするためにクランクシャフト自体を下げ、さらには燃焼室同士を近づけることでICE全体をコンパクト化した。

 秋前からの開発再開で通常より短い時間しかないなか、HRD Sakuraの設計を具現化するため、試作部門の試行錯誤や昨年導入した熊本製作所の熊製メッキなど、ホンダ全体を挙げての努力が注がれている。レッドブル側も勝つためにマシン設計をやり直し、新骨格パワーユニット投入を了承した。

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「時間のないなかで新骨格エンジンの搭載が決まって、なんとかテストまで漕ぎ着けたのが現状です。HRD Sakuraの技術者たちは本当に短い時間のなかで開発作業をやってくれました。(これでチャンピオンになって)今年1年で『世界一の技術者になった』という自信を彼らに与えて、それを糧に苦難を切り拓いていく技術者に育ってほしい。彼らの新分野での活躍に期待したいと思っています」(浅木泰昭F1開発責任者)

 3日間のテストをノートラブルで終えて、今は開幕戦に向けてデータを分析し、さらに磨きをかけているところだという。テストの現場運営を統括した田辺豊治テクニカルディレクターはこう振り返る。

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