スズキかヤマハかホンダか?MotoGPチャンピオン争いがさらにカオスに (3ページ目)
しかも、決勝日午前のウォームアップ走行でもダメ押しのようにトップタイムをマークして、仕上がりはまさに上々といった様子がうかがえた。
中上がトップグリッドのポールポジションにつき、いよいよ決勝レースのスタート時刻を迎えた現地時間午後1時(日本時間午後9時)は、おそらく日本でもファンの期待がピークに達していたはずだ。
スタートシグナルが消灯し、レースが始まると、中上は左へ旋回する1コーナーへトップで飛び込んでいった。モルビデッリをわずかに背後へ従える格好でバイクを切り返して右の2コーナー、さらにもう一度右の3コーナー、と駆け抜けてゆく。
そして、5コーナーの進入に差し掛かったところで、フロントタイヤを切れ込ませて転倒。中上とバイクが、路面を滑走し、コースサイドのグラベルへ転がっていった。
レースがスタートしてから、わずか20秒の出来事だった。
ピットボックスへ戻ってきた中上は、自らの椅子に力なく腰を下ろし、ヘルメットを被ったまま無言で大きくうなだれた。
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