スズキかヤマハかホンダか?MotoGPチャンピオン争いがさらにカオスに (5ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

 優勝選手は25ポイントを獲得するため、シーズン残り3戦では合計75ポイントを取り合うことになる。そう考えると、14点差などごくわずかな開きでしかないようにも見える。ただし、直近6戦で表彰台5回という毎戦高水準の走りを続けるミルと、その6戦中で優勝を1回達成しているものの、あとの5戦は表彰台圏外という波のある成績のクアルタラロでは、安定感という面で大きな開きがある。しかも、ミルのチームメイト、アレックス・リンスは前戦で優勝。今回も2位に入り、スズキは2戦連続で両選手が表彰台に登壇している。この安定感は、今シーズンの残り3レースを戦ううえで、スズキ陣営にとって大きな武器となるはずだ。

 とはいえ、誰にも想像できなかった出来事が次から次へと発生してきた2020年シーズンの決着に、拙速な判断は禁物だろう。そもそも誰にも予測できないから、どんでん返しはどんでん返しなのだ。そしてそれは、おそらくあと3回起こる。

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