レッドブル・ホンダ「タイトル奪還」のリアル度。2020は「収穫の年」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 例年なら開発が停滞し、相対的なパフォーマンスが低下するシーズン後半戦も、2019年はアップデートが継続した。中団グループの上位を争うポジションに安定してつけることができていたのは、そのためだ。

 2019年はこうした手法を採りながら、その一方でチーム体制の強化にも力を入れていた。イギリスのビスターにある空力開発部門と風洞を強化し、2018年には何度か問題となった風洞と実走のズレ、つまり実戦投入した際に想定どおりのパフォーマンスを発揮しない問題を、しっかりと解決した。

 シーズン前半には暑いコンディションで、タイヤマネジメントに苦戦することもあった。だが、トラックサイドのオペレーションを改善することによって、レース週末におけるセットアップの方向性を確立し、シーズン後半戦には常に良好なレースペースを発揮することができるようになった。

 ホンダとの関係も良好だ。

 ほかのカスタマーチームは、完成品のパワーユニットを受け取ってマシンに組みつけるだけ。それに対し、アルファタウリはレッドブルと同様にレッドブルテクノロジー社を通じて、ホンダとマシン開発の初期段階から車体とパワーユニットの擦り合わせができる環境にある。

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