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鈴鹿がすべて教えてくれた。
レッドブル・ホンダの偽りなき現在地 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 フェルスタッペンが生き残っていれば表彰台に立つことはできたかもしれないが、2強チームとの差は予選ではっきりと見せつけられてしまった。そのことがレッドブル・ホンダに大きな影を落とした。

 フェラーリに0.787秒、メルセデスAMGに0.558秒。Q3最後のアタックで急にマシン挙動が変わってタイムを伸ばせなかったとはいえ、予選を通して2強チームとの差は想像以上に大きく、決勝でも彼らと戦えるレベルにはなかった。

「今週末はもう少し力強いパフォーマンスが発揮できればと思っていたんだけど、実際にはそこまでの速さがなかったと言わざるを得ない」(アルボン)

 鈴鹿サーキットは中高速コーナーが連続してマシンの空力性能が問われる一方で、全開区間が長くパワーユニット性能も求められる。タイヤに厳しいサーキットであり、今年も予想以上のデグラデーション(性能低下)に悩まされたように、タイヤの扱いとレース戦略を組み立てる能力が問われる。

 そしてもちろん、ドライバーの腕も試される。まさに、チームとしてのパッケージのすべてが高い次元で求められる。それが鈴鹿サーキットだ。そんなサーキットだからこそ、レッドブル・ホンダの抱える弱点がより克明にさらけ出されてしまった。

「今日のレース結果を見ても、各チームの差がものすごく大きかったと思います。一発の速さも当然ありますが、タイヤマネジメントも含めて車体パフォーマンスがもともと高いところにあるうえ、安定して走れるクルマが強い。

 シーズン中盤戦あたりからこういった形のレースになってきていましたが、今日のレースを見ると、やはり鈴鹿は車体セットアップもパワーユニットのセットアップもドライバーも含めて、難しいサーキットです。実力の差が出やすいサーキットで、その実力がはっきりと出たかなと。我々がまだトップ2を追いかける立場だということが、予選・決勝の結果に表われたと思います」

 鈴鹿のレース週末を前に、田辺テクニカルディレクターは「ミスなく力を発揮しきりたい」と目標を述べていた。

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