2019.10.12

レッドブル・ホンダ、新型燃料投入。
チーム一丸「鈴鹿スペシャル」で戦う

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 鈴鹿スペシャル――。

 かつて、地元日本GPにホンダが総力を結集して投入した最高のエンジンを、そう呼んだ。

 しかし今のレギュレーションでは、パワーユニットは年間3基しか使うことができず、グリッド降格ペナルティを受け容れたとしても、鈴鹿の1戦のためだけに特化したパワーユニットを投入し、使い尽くすということはできない。理論的には可能だが、法の精神には反するからだ。

3年連続で鈴鹿の表彰台に立っているフェルスタッペン 今週末のF1第17戦・日本GPを、ホンダはシーズン後半戦に合わせて完成させたスペック4で戦う。

 そして、新型燃料もついに完成し、これでようやくスペック4の実力がフルに発揮することができる。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「パワーユニットは、ベルギーGPから投入したスペック4で戦います。4台ともに3日間を通してスペック4です。それに加えて、新しい要素として燃料があります。エクソンモービルとともにホンダの先進技術研究所の燃料系エキスパートの助力も得て、我々のエンジンの燃焼に合ったものを開発して今週末のレースから投入します」

 スペック2のターボとMGU-H(※)にはホンダジェットの技術が使われたが、今回は燃料分野の先進技術のノウハウが投入された。ホンダが社をあげて、オールホンダ体制で戦う。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

「ホンダR&D(HRD)という会社のなかに先進技術研究所というところがあり、いろんなことに関しての先進技術のエキスパートがいて、『オールホンダで戦う』という意味で燃料のエキスパートにも開発に加わってもらって、エクソンさんと一緒に開発を進めてきました。

 ホンダにはクルマもジェットもありますが、燃料を使います。その燃料を将来的にどうすべきか、という研究をやっているんです。今、我々のパワーユニットでF1部門以外のホンダの技術を生かせば、まだ性能を上げられるところはないか? (そう考えた時に)燃料が上げられる。燃料のエキスパートがいる。じゃあ一緒に開発しましょう、ということです」