レッドブル・ホンダ、待望のパワーアップ。スペック4で本丸にメス (2ページ目)
スペック3では当初、熱対策の点でコンサバティブな点があり、パワーユニットを守るために出力を落とす「セーフモード」に入りやすい状況があった。さらにドライバーのスロットル操作に対して、スムーズにパワーがついてこない「ラグの問題」もあった。そういった課題をレースごとに解消し、セッティングを煮詰めていったのがスペック3だった。
スペック4ではそういったこともなく、最初からスムーズな運用が可能なはずだと言う。
ただし、期待されていたエクソンモービルの新型燃料は間に合わず、ここには投入されていない。スペック4のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、その燃焼系に合わせて開発された新型燃料が必要不可欠だ。
そういう意味では、今回はまだスペック4の真価を発揮することはできないのかもしれない。とくに、メルセデスAMGやフェラーリと戦ううえで重要と言える「予選でのスペシャルモードの実用化」は難しいかもしれない。
その一方でレッドブルは、アレクサンダー・アルボンをトロロッソから昇格させ、不振のピエール・ガスリーをトロロッソに乗せる人事を決めた。ほとんどの関係者が知らず、当のドライバーたちも発表の数時間前に聞かされたという、急な決定だった。
田辺テクニカルディレクターも、これには驚きを隠さなかった。だが、ホンダとしてとくに何かをするわけでもなく、従来どおりのエンジニア布陣で臨むという。
つまり、アルボンはこれまでガスリーを担当していたスタッフと組み、ガスリーはアルボン担当チームと組む。これはチーム側のエンジニア体制と同じで、ドライバーとエンジニアの組み合わせよりも、チームとホンダのエンジニア同士の組み合わせを固定するほうを優先したものだ。
ガスリーは、約9カ月ぶりのトロロッソ復帰。ただ、エンジニアは昨年ともに働いた布陣ではなく、ブレンドン・ハートレイとアルボンを担当していたピエール・アムランらのチームと組むことになる。
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