2019.08.31

レッドブル・ホンダ、待望のパワーアップ。
スペック4で本丸にメス

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 夏休み明けの第13戦・ベルギーGPに、ホンダはスペック4パワーユニットを完成させてきた。スパ・フランコルシャン、モンツァ、ソチとパワーサーキットが続く後半戦のスタートに合わせて、開発を進めてきた新スペックだ。

フェルスタッペン(左)の新たなチームメイトとなったアルボン(右) ターボやMGU-H(※)などはそのままに、ICE(内燃機関エンジン)の燃焼系を改良してきた。つまり、パワー向上の本丸にメスが入った。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「メインはICEの燃焼系の向上です。パフォーマンスと信頼性のバランスは常に取っているんですが、その両方ともバランスが取れた形で向上したスペックになります」

 ICEの改良によってどのくらいパワーが向上しているかという点については、20馬力とも25馬力とも報じられている。だが、レッドブル側から漏れ伝わってくる数字は、かなり正確なもののようだ。田辺テクニカルディレクターは具体的な数字は明かさないものの、スペック2やスペック3の投入時とは違って、「出力面で明確な進歩がある」という点は明言した。

「(具体的な数字は)秘密です(笑)。でも、ちゃんとした目に見える形でステップアップしたものを持って来ています。スペック3でもICEは上がっていますけど、今回はそれの進化版ですね」

 レッドブルの車体改良とともに、ホンダのパワーユニットはスペック3で改良が進み、セッティングの熟成も合わせ、攻めて使えるようになった。そのことがシーズン中盤戦、オーストリアGP以降の快進撃を支えている。

 フェラーリやメルセデスAMGに、パワーでも追いつきつつあるという見方もある。だが、田辺テクニカルディレクターは差が縮まっていることは認めつつ、まだ追う立場であることはしっかりと強調した。

「近くまで来ているなとは思っていますし、(パワーサーキットが)苦手だから逃げ出したいということもありません。今も我々は追いかける立場です。ドライバーからすれば、パワーはあるに越したことはない。この間の(ハンガリーGP決勝のフェルスタッペンの)ように『もっと(パワーを)くれ』という話になります。もっともっとパワーがあれば、うれしいですけどね」