トロロッソ・ホンダ今季最大のチャンス。ガスリーも暑さ対策万全で挑む (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

「モナコでハイパーソフトタイヤをうまく使えたことを考えると、今週末もかなり期待ができると思う。モナコではかなり長いスティントを走ることができて、そのおかげで7位に浮上することができたからね。ハイパーソフトでもタイヤをセーブして長く保たせることができるのは、僕らの強みのひとつだろう」

 低速コーナーが多いということは、そこからの加速が多いということだ。その立ち上がり加速は、STR13のメカニカル性能もさることながら、ホンダ製パワーユニットのドライバビリティのよさも大きな武器になる。あとは、スロットル全開に至るまでのトルクがドライバーのペダル操作どおりに出てくれるかどうかだ。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「ここは低速コーナー主体なので、立ち上がりのドライバビリティは当然重要な要素になってきますね。モナコやハンガリーなど今年のこれまでの結果を見ても、トロロッソ・ホンダとしては得意なサーキットだと思います。ドライバビリティに関しては、直接他車のパワーユニットと乗り比べて確認したわけではありませんが、少なくともトロロッソのふたりは『昨年使っていたもの(ルノー製パワーユニット)よりはいいよ』と言ってくれています」

 ただ、低速サーキットのシンガポールだが、エンジン全開率は50%弱と決して低くはない。

 連続する低速コーナーからの立ち上がりでスロットルが踏めるかどうか、コーナーの切り返しで踏めるかどうか。そういったマシンの仕上がりの善し悪しによって、全開率は上がったりも下がったりもする。それが、マリーナベイ・ストリートサーキットの難しさだ。

 ホンダのあるエンジニアはこう語る。

「全開率はマシンの仕上がりによって、かなり違ってきます。というのは、スパ・フランコルシャンやモンツァではすぐに向きを変えてしまうようなコーナーが短くて、あとはベタ踏みの全開区間ですから、マシンによって違いはそれほど出ないんです。

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