日本人F1ドライバーは見えたか。
ホンダが育成する3人の今季と来季
2017年、期待された日本人F1ドライバーの誕生はならなかった。ARTグランプリ(フランス)からFIA F2に参戦した松下信治(まつした・のぶはる/24歳)がザウバーF1をテストドライブしたが、F1昇格に必要なスーパーライセンス取得基準を満たすことはできなかった。
松下信治は来季、スーパーフォーミュラに参戦する 勝負の1年――。松下はそう自分に言い聞かせて今シーズンに立ち向かったという。
「今年は勝負の年だったと思います。スーパーライセンスが取れればF1に行けたかもしれないわけで。だから自分としては結構勝負をしました」
しかし、レースはそう簡単ではない。かつてはストフェル・バンドーンが圧倒的な速さで王者に輝くなどトップチームだったARTグランプリだが、マシンセットアップのキーマンであったエンジニアをプレマ・レーシング(イタリア)に引き抜かれてからはチーム力の低下にあえいでいる。
「一番大事なのはレースペースだと痛感した1年でした。たとえ予選で中団になってしまったとしても、レースペースが速いチームって絶対に上がってくる。安定して結果を残していくためには、やっぱりレースペースが重要なんです。そこが僕らはいいときもあるけど、そういうときが少なかったし、チームとしてその点で負けていたのは確かでした」
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