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日本人F1ドライバー候補3名は、
チャンスを前に何を考えているのか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 そう語る松下の表情には、確かに余裕のようなものが漂っていた。

 なかば義務感にせき立てられるように「チャンピオン争い」と繰り返し発言していた1年前とは、明らかに違う。

「このオフは、マクラーレンのファクトリーでシミュレーターに乗って2017年型マシンの開発をしたり、身体のトレーニングもしたり、去年のレースごとのデータやレポートを見返して、去年失敗したこととうまくいったことを整理して、よかったところとそうでなかたところをしっかりと見返してきました」

 松下が2018年にF1のスーパーライセンスを取得するためには、今年GP2でランキング2位以上に入らなければならない。それが松下にとって、F1への"最後の一歩"だ。

 GP2では昨年から参戦してきたプレマ・レーシング(イタリア)が速さを見せ、松下の所属するARTグランプリ(フランス)はチーム力の面で差をつけられてしまった。しかし松下は、自身の経験でその差を埋められる自信を持っている。そして、今年が自分に与えられる最後のチャンスであることも、松下はよくわかっている。

「3年目なんで経験もあるし、毎レース取りこぼしなく必ずポイントを獲ること。もちろん優勝もして、アグレッシブで力強いレースをします。そうすれば、最終的にチャンピオン争いでもいいところに行けると思いますから。もちろん(自分にとってF1挑戦は)今年が最後の年だと思っているのでプレッシャーもありますけど、あまりそういうことは気にしないように心がけています」

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