フェルスタッペン、オコン、バンドーン。F1にやってきた世代交代の波 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 名門ウイリアムズのシートを射止めた18歳のランス・ストロールは、昨年ユーロF3を圧倒的な速さで制してF1スーパーライセンスを取得し、飛び級デビューを果たすこととなった。昨年からすでにウイリアムズの全面協力のもと、2014年型F1マシンで8000kmものプライベートテストを重ね、実戦デビューに向けて準備を着々と進めている。

 だが、今のところストロールに注目が集まっているのは、彼の速さというよりも、彼のバックボーンゆえだと言わざるを得ない。

 彼の父親ローレンス・ストロールは、ラルフ・ローレンやピエール・カルダン、トミー・ヒルフィガー、マイケル・コースといった有名ブランドに投資して莫大な資産を築いたカナダの大富豪で、総資産は26億ドル(約2940億円)という人物。自分自身が趣味でレースをしていたほどのモータースポーツ好きで、息子のレース活動にも惜しげもなく資金を投じ、ユーロF3では名門チームのプレマを"購入"して潤沢な予算で他を圧倒した。F1のテスト費用も含めて8000万ドル(約90億円)もの資金を投じたと言われている。

 このスケールの違う大富豪の息子を、「ペイドライバー」と見なす者も少なくない。しかし、本人はそんな批判の声には慣れっこで、「結果がすべてだ」と言い切る。

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