室屋義秀のエアレース王者なるか。今季を戦う14人の超人パイロット

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by red bull

 今年で12回目を迎える、飛行機の世界最高峰レース「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」が、2月10日にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開幕する。

 2年連続で千葉・幕張でも開催され、昨年は9万人のファンの前で室屋義秀が優勝するなど、日本でも盛り上がりをみせる同レース。開幕前に最上級のマスタークラスパイロット14名をチェックして、8戦に及ぶ熱い戦いに備えよう!

※紹介の順番は昨年の成績上位から

マティアス・ドルダラー(46歳)/ドイツ

所属:マティアス・ドルダラー・レーシング

飛行機:エッジ540V3

圧倒的な強さで涙の初優勝。年間総合2連覇を狙う

 昨季は2位以下を大きく引き離しての年間総合優勝。パイロットの実力はもちろんだが、ウイングレットの導入や、空気抵抗を減らすための翼表面の加工など、機体改良の効果も大きかった。全7戦中(第8戦は強風のため中止)、表彰台に立てなかったのはわずかに1戦のみという、圧倒的な強さでの初戴冠だった。フライト直後にコックピット内で発する「ヨーロレイッヒー!」の歌声は、勝利パフォーマンスとしてもはやおなじみだ。

 とはいえ、良くも悪くも粗削りで豪快なフライトがドルダラーの魅力。他を寄せつけない速さを見せる一方で、機体のコントロールが大きく乱れることも意外なほど多い。今季の優勝候補筆頭ではあるが、つけ入るスキは十分にあるだろう。

 2009年デビューで、室屋とは同期生。陽気な性格で、戦いを離れれば、室屋と最も仲のいいパイロットである。

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