決勝でも予選モード。ダブル入賞を生んだホンダ「攻めの秘策」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 長谷川総責任者も、「今までにやったことがないトライです。こういうところに勝負をかけよう、注力しよう、という決断をしたということです」と明言した。

 開幕前のテストから点火時期を攻めたセッティングをトライし、前戦の中国GPでは年間10回しか許されていないCEのソフトウェアもアップデートし、ハードウェアの開発が制限されているなかでも制御系の改良によってパフォーマンスを伸ばしてきた。

 まずは「信頼性の確保」を目標に掲げて臨んだ2016年シーズンだったが、そうやって性能面でも少しずつ学び進歩してきた。ある意味では、それは2015年の参戦開始当初からずっと続いてきたアプローチだった。

 しかし、シーズン序盤のフライアウェイ戦最後のロシアGPで、いよいよホンダは攻めに転じたのだ。

 14番グリッドからスタートしたアロンソは、1周目の混乱をうまくすり抜けて7位まで浮上し、ルノーやハース、トロロッソ、フォースインディアを寄せつけることなく走り切って、6位でチェッカードフラッグを受けた。レースの大半はひとり旅で淡々としたものだったが、予選モードの恩恵を生かし、レースの終盤には貯め込んだ燃費セーブ分を1周に全力投入して全体で5番手のファステストラップを叩き出し、チームを驚かせる茶目っ気も見せた。

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