F1最年少優勝を自ら引き寄せた
フェルスタッペン「18歳の冷静力」
勝利の女神とは、気まぐれに誰かに微笑むものではなく、微笑ませるもの――。「18歳と227日」という若さでF1の史上最年少ウィナーとなったマックス・フェルスタッペンは、スペインGPでそのことを証明してみせた。
F1史上最年少ウィナーとなったマックス・フェルスタッペン「素晴らしい気分だよ、信じられない! もちろん、こんなことになるなんて思ってもみなかったよ! 今日は表彰台を目標にしていたんだけど、そのまま勝ててしまった。最高の気分だよ!」
多くの幸運と偶然によって実現した勝利だったが、チャンスは誰にでも巡ってくるものではなく、それにふさわしい場所にいる者にしか巡ってこない。そして、それを掴み取る能力がなければ、手にすることはできない。史上最年少優勝は、幸運と努力と実力のすべてが揃ったからこそ成し得たものだった。
欧州ラウンドの開幕となるスペインGPでも圧倒的な速さを維持したメルセデスAMG勢が、まさかの1周目で同士討ち。ニコ・ロズベルグがパワーユニットのスイッチ操作を忘れ、失速したところに仕掛けたルイス・ハミルトンが行き場を失ってスピンし、ロズベルグのリアに突っ込んでしまった。
年に一度あるかないかというそんな場面で、メルセデスAMG勢のすぐ後ろにいたのは、"2強"の一角であったはずのフェラーリ勢ではなく、レッドブル勢だった。
そして、前戦ロシアGP直後に電撃トレードによってレッドブルのシートを得たのが、18歳のマックス・フェルスタッペンだった。
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