【エアレース】それはないんじゃないの。再び失格に室屋義秀の怒り爆発

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 室屋義秀の今季第2戦は、わずか20秒足らずであっという間の終わりを迎えた。

 もう4月も終わろうというのに気温が5度以下にまで下がり、雪が降り出したシュピールベルグ(オーストリア)。冷たい風がレーストラックに強く吹きつけ、コース上のパイロンを揺らすなか、スピードに乗ってスタートした室屋が快調に飛ばす。

 攻めのフライトを見せた室屋だったが、無念の失格 (c)red bull攻めのフライトを見せた室屋だったが、無念の失格 (c)red bull そして第4ゲートを通過し、寒風を切り裂くように大きくターン。だが、次の瞬間、室屋に非情の判定が無線を通じて伝えられた。ターンする際のオーバーGによるDNF(Did Not Finish)。つまりは、記録なしの失格である。

 レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップの2016年シーズン。室屋はかつてないほどの自信を胸に、「年間総合順位で3位以上」を目標に掲げて新たな戦いに臨んだはずが、これで開幕戦から2戦連続でオーバーGによる失格となった。

 直後、会場内の大型画面がコックピット内の室屋を映し出す。憮然とした表情には失意がありありと浮かび、同時に、明らかな怒気がにじんでいた。

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