【エアレース】それはないんじゃないの。再び失格に室屋義秀の怒り爆発 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 無理もない。室屋はアブダビ(UAE)での今季開幕戦でも、ラウンド・オブ・8でオーバーGによるDNFの判定を受けた。室屋の経験と体感からいえば、ギリギリセーフどころか、まったく問題がないはずのターンで、である。

 「G計測の間違いとしか考えられない」

 室屋は同じように感じていた他のパイロットたちとともに、レッドブル・エアレースのテクニカルディレクターに何度も確認を求めた。

 当初は「計測は正確だ」の一点張りだったテクニカルディレクターも、結局、パイロットたちの意見に耳を貸さざるをえなくなった。

 その結果、第2戦を前に計測に使われるコンピュータープログラムの入れ替えが行なわれることとなった。事実上、エアレース主催者側が開幕戦でのミスを認めたと言ってもいい(公式に認めたわけではないが)。

 これで問題は解決されるかに思われた。実際、他のパイロットたちは、明らかにおかしなGの数値が出なくなったことで、不満の矛を収めた。

 ところが、室屋だけは違った。いつまでも決定的な改善が見られない。そのシステムが何を基準にどのような数値を計測しているのかを分析し、開幕戦から約1か月を費やして機体のセッティングを変え、自身もそれに合わせるべくトレーニングを重ねてきた。

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