2012.06.13

【F1】可夢偉9位、ペレス3位。
チームメイトとの差は何だったのか?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

カナダGPで9位入賞の可夢偉。チームメイトのセルジオ・ペレスは3位と躍進した
 カナダGPでザウバーが今季2度目の表彰台を獲得した。しかしまたしても、そのチャンスを掴み取ったのは小林可夢偉ではなくチームメイトのセルジオ・ペレスだった。

 可夢偉は11番グリッドから9位フィニッシュ、そして一方のペレスは15番グリッドから3位。

 どうしてこんな差が生まれてしまったのだろうか? 可夢偉はペレスよりも遅いのか?

 結論から言えば、カナダGPのこの結果は、運によって大きく左右されてしまったものでしかない。

 決勝日のモントリオールは晴れ渡り、強い陽射しによって路面温度は45度を超えていた。曇り空の下で行なわれた金曜フリー走行の時よりも20度近く高いコンディションだ。こうした暑さの中で、「予想が非常に難しい」と言われている今年のピレリタイヤがどのような反応を示すか、それを完璧に把握できていたチームはなかった。

 そんな中で、通常であれば2回のタイヤ交換が必要になる70周のレースを、1回のピットストップに抑えて走り切ることができるか否か。1ストップ作戦が成功すれば浮上の可能性があるが、走り切れなければ最後に大きくペースを落とすか、ピットストップを余儀なくされて大きく後退するリスクがある。1ストップ作戦を採るのは、大きなギャンブルだった。

 予選で後方に沈んでおり失うものがなかったペレスは、大逆転を狙ってそのギャンブルを選んだ。前回の表彰台となったマレーシアGPも、スタート直後にピットインしてタイヤを交換するギャンブルが成功したゆえの浮上だった。

 一方の可夢偉は、無難に2回ストップ戦略で走り、入賞圏内への浮上を目指した。

 安全パイかギャンブルか、この選択が両者の明暗を分けることになったのだ。