2012.06.05

【MotoGP】歴史的和解。ロレンソとペドロサの関係改善が
パドック全体に与える影響とは?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

犬猿の仲だったダニ・ペドロサ(左)とホルヘ・ロレンソ。両者の関係が、今季は改善されている
 選手にはそれぞれ、「得意の勝ちパターン」というものがある。2011年チャンピオンのケーシー・ストーナー(レプソル・ホンダ)やダニ・ペドロサ(同)なら先行逃げ切り。ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー)の場合なら、着々と上位を追走して終盤でトップに躍り出る、というスタイルだ。

 スペイン第二の都市バルセロナ郊外にあるカタルーニャサーキットで開催された第5戦カタルーニャGPの決勝レースでは、ロレンソが自らの持ち味を存分に発揮した。

スペイン・マヨルカ島出身で、バルセロナで育ったロレンソと、カタルーニャサーキットからほど近いサバデル出身のペドロサは、ともに今回が文字どおりのホームGP。サーキットにも両選手のファンが大勢詰めかけた。

 レース序盤は、5番グリッドからロケットスタートを決めたペドロサがリード。その背後にロレンソが迫り、2台は何度かトップを入れ替える激しいバトルを繰り広げた。息詰まる展開のなか、ラスト6周でロレンソがペドロサの隙を衝いて前に出ると、以後は着々と引き離して今季3勝目。

「ダニはブレーキングが深かったのでオーバーテイクするのが難しく、後ろについて慎重にチャンスをうかがった。彼のペースが落ちてきてコーナーで少しワイドにはらんだ隙を狙って前に出て、あとは全力で差を開いていった」
 とレースを振り返った。

 一方のペドロサは、
「終盤もペースを維持しようと思ったけれども、コーナリングスピードも落ちてきて、最後はホルヘに引き離されてしまった。今日は本当に勝ちたかったレースだから2位は残念。(自分自身も5戦中4戦で表彰台を獲得しているものの)ホルヘは(優勝3回2位2回と)10ポイントを取りそこねただけでほとんど完璧な状態だから、チャンピオンシップで彼に食い下がるためにはいっそうがんばらないと」
 と悔しそうな表情もうかがわせた。