2012.05.30

【F1】現役復帰から2年半。
「皇帝」ミハエル・シューマッハがつかんだ復活の手応え

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

モナコの予選でトップタイムを叩き出し、速さを見せたミハエル・シューマッハ 7度の世界王者に輝いたミハエル・シューマッハが、ついに反撃の狼煙(のろし)をあげた。

 ドライバーの腕が試される難コースのモナコで、2010年の現役復帰以来初となるポールポジション獲得を果たしたのだ。2006年フランスGP以来のポール。その予選結果が確定した瞬間、シューマッハは人差し指を天に突き上げて喜び、マシンを降りてもなお、その興奮は醒めなかった。

 シューマッハは前戦スペインGPで前走車に追突し5グリッド降格のペナルティを科せられていたため、結局ポールポジションは幻となったが、今年のモナコでのシューマッハは自信に満ちていた。

「現役復帰から2年半を経て、こうしてポールポジションを獲得できて最高の気分だよ。僕の第2のキャリアで最初のポールだ。とにかく甘美で良い気分だ。明日は6位からのスタートだけど、僕は優勝を目指して戦う。そのためにF1にいるんだからね」

 F1に復帰して以来、シューマッハはポールもなければ表彰台の獲得もなく、不甲斐ないレースが続いていた。今季はメルセデスAMGのマシンの出来が上々だったが、中国GPで優勝したチームメイトのニコ・ロズベルグに、先を越されてしまっている。


 しかし、シューマッハは徐々に自信を深めていた。今季ここまで、結果が出ていないのは、トラブルなどの不運や自身のミスによるところがあったが、マシンとドライビングに対する手応えは着実に掴んできていたのだ。

「クルマをすべて完璧にセッティングすることができ、その結果がこれさ。すべてを正しい時に正しくまとめることができれば、うまくいくとずっと感じていたんだ。それがようやく証明できたね」