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アンカツ選定、衝撃の「3歳牡馬番付」 群雄割拠のクラシックをどう読み解いたのか? (4ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo

前頭筆頭:レガレイラ(牝3歳)
(父スワーヴリチャード/戦績:3戦2勝、3着1回)

 牝馬ながら、牡馬相手のGIホープフルSを勝利。後方から、前が止まって見えるほどの強襲で一気に差しきった。

 2分00秒2という勝ち時計も悪くないし、2着に負かしたのが牡馬では上位にランクされるシンエンペラー。もう少し評価が高くてもいいように思われるかもしれないが、個人的にはこの辺りの位置づけが妥当だと考えている。

 牡馬相手のGIを勝ったのは、もちろん立派だ。しかし、2歳暮れという時期は、牡牝のポテンシャルにそこまで大きな差はない。それだけに、過大評価は禁物だ。

 また、自身の分析では、この馬は素直で真面目な性格。要するに、完成度が高いということ。それゆえ、能力があるのは間違いないが、ホープフルSは完成度の高さがモノをいった一戦、と見ている。

 加えて、2000mの距離、中山コースに抜群の適性があった、と考える。皐月賞参戦を決めたのも、陣営が「牡馬相手でも勝てる」と判断したというより、その適性を高く評価してのものではないかと思っている。昨年の三冠牝馬リバティアイランドと比較する声もあるが、それはちょっと酷なような気がする。

        ◆        ◆        ◆

 番付には以上の5頭を選出したが、それぞれ盤石と言えるほどの存在ではない。そういう意味では、伏兵が台頭する余地は例年以上にある。

 なかでも、弥生賞を勝ったコスモキュランダ(牡3歳)は面白い存在。かなり強引な競馬をしながら、難なく勝ちきってしまうのだから、想像以上に力をつけているのかもしれない。

 いずれにせよ、大混戦の牡馬戦線。思わぬ馬の激走も大いにありえるだけに、馬券的な妙味は増すのではないだろうか。

安藤勝己(あんどう・かつみ)
1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。

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