オークスでも「テッパン」とされる女王リバティアイランドには、本当に死角はないのか
牝馬クラシック第一弾のGI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)は、リバティアイランド(牝3歳)が断然の人気に応えて見事に戴冠を遂げた。驚異的な末脚を繰り出しての差しきりは、戦う相手の戦意を喪失させる、まさに"黙らせる"勝ち方だった。
おかげで、関西の競馬専門紙記者によれば、第二弾のGIオークス(5月21日/東京・芝2400m)を目前にしたこの時期、例年であれば活気にあふれる栗東の競馬サークルも、そうした高揚感とは裏腹の"厭戦ムード"だという。
厩舎関係者だけでなく、騎手たちも、リバティアイランドにはお手上げ。「あの馬にはどうやってもかなわない」というムードが充満し、オークス当日の関東での騎乗を思案していたジョッキーもいたらしい。
敢闘精神は競馬の基本とはいえ、リバティアイランドのあの強さを目の当たりにしたら、ライバル陣営の多くが諦めに近い気持ちになるのも理解できる。
桜花賞でライバル陣営の戦意を喪失させるほどの強さを見せたリバティアイランドこの記事に関連する写真を見る 桜花賞当日の阪神・芝コースは、前・内有利のトラックバイアスがかかっていた。それゆえ、ゲートが開くと各馬が一斉に好位置を取りにいった。
しかしそんななか、リバティアイランドは位置を取りにいく素振りさえ見せずに後方待機。この日の馬場を考えると、それは明らかに"禁じ手"であり、スタート直後には「リバティアイランド、危うし」と見たファンも少なくなかったに違いない。
ところが、である。
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