AJCCはベテラン騎手と手が合う伏兵馬に一発の可能性大。年明けの傾向とは異なり、速い展開を予想 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 社台グループのクラブ馬は規定によって、牝馬は6歳の3月末には引退することがきまっています。そうした状況にあって、年明けのここまで引退せずに現役を続けているのは、最後に悔いのない競馬をさせたい、という考えがあるからだと思います。

 ということは、陣営から「思いきって乗ってくれ」といった指示が出ても不思議はありません。その場合、たとえ序盤でハナを譲ったとしても、向こう正面から早めに動く展開も考えられます。そこは、頭の片隅に入れておきたいところです。

 それら先行勢を見ながら運ぶと思われるのが、上位人気になるであろうガイアフォース(牡4歳)とエピファニー(牡4歳)でしょうか。

 ガイアフォースはクリストフ・ルメール騎手への乗り替わりに意気込みが感じられ、エピファニーは現在4連勝中と本格化ムード。どちらも今年は飛躍の年にしたいはずで、このGII戦を勝てるかどうかによって、今後の進路が大きく変わってきます。ともに、勝負気配は高いと見ていいでしょう。

 中山・芝2200は、ただでさえ仕掛けのポイントが早くなりがちですが、こうした展開面や人気上位馬の脚質を考えても、このレースは少し意識が前がかりになる可能性が高そうです。少なくとも超スローの、行った行ったの競馬にはならないのではないでしょうか。

 そういった展開面から穴馬候補として注目しているのは、エヒト(牡6歳)です。昨夏のGIII七夕賞(福島・芝2000m)では、同馬に騎乗して久々に勝利ジョッキーインタビューに答える元気な田中勝春騎手を見ましたが、かつての仲間が活躍する姿を見るのはとてもうれしいものですね。

 この馬は彼と手が合っているのか、勝負どころでの反応のよさが目立ちます。スタートも上手に出ているように、田中騎手は同馬をすっかり手の内に入れて、思いのまま操れている印象です。

昨年の七夕賞で重賞初制覇を決めたエヒト昨年の七夕賞で重賞初制覇を決めたエヒトこの記事に関連する写真を見る

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