主役不在の菊花賞。穴党記者が推すのは相当な変わり身が期待できるダービー出走馬2頭 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 奥田記者が推すもう1頭は、プラダリア(牡3歳)だ。

「ダービー5着の実績馬ながら、秋初戦のGII神戸新聞杯(9月25日/中京・芝2200m)では8着と完敗。この敗戦で人気を落としそうですが、その分、馬券的な妙味は増します。

 そもそも前走は、レース前から陣営のトーンもあまり上がっておらず、調子はひと息の状態でした。本来なら坂路で行なう最終追いも、初めてCウッドで追われたほど。実際にレースでも、勝負どころでの反応がよくありませんでした。

 しかし今回は、一度叩かれたことで、状態は確実にアップ。1週前の追い切りでは、主戦の池添謙一騎手がまたがっていい動きを披露しました。おかげで、池添騎手も『前回は状態が全然だったので、ガラッと変わらないと厳しいと思っていたけど、今日の動きはめちゃくちゃよかった。春のいい頃に近づいているし、本番が楽しみになった』と好感触を得ていました。

 同馬を担当する池添学厩舎の平野健一助手も、『今回はキャンター、ふだんの追い切りの動きから、前走とは全然違う。動きが大きく見えます。カイ食い、毛づや、ボロ、この3つのどれを見ても体調のよさがうかがえます』と満足気。前走からの上積みは、間違いありません。

 ダービー5着は素直に評価できるものですし、今回のメンバーのなかでは同3着のアスクビクターモアに次ぐ上位着順。本調子を取り戻せば、地力上位の存在と言えるでしょう。

 ディープインパクト産駒は過去5年で3勝と、レースとの相性も抜群。池添騎手が『2400mも走れていた馬だし、距離も心配してない』と言うように、3000mの距離も問題はありません。前哨戦惨敗からの巻き返しは十分にあると見ています」

 確たる本命不在の"乱菊"。春の大舞台を経験し、ひと叩きしての変わり身が大いに見込める2頭の大駆けに期待したい。

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