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高速決着が想定されるスプリンターズS。波乱の使者となるのは「インからイン」を突ける馬

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 秋のGIシリーズがいよいよ開幕しますね。第1弾は、下半期の「スプリント王決定戦」スプリンターズS(10月2日/中山・芝1200m)です。

 スプリンターズSは、僕も現役時代に勝ったことがある思い出深いレース。その分、会心の的中を求めて、より一層レース検討には力が入ります。今年も楽しみなメンバーがそろいましたから、とても予想のし甲斐がありますね。

 この秋は、週末になると台風に見舞われる状況が続いていて、今週末も台風18号が発生してその影響が心配されましたが、予報では天気が大きく崩れることはないとのこと。久々に馬場状態に悩まされることなく、予想することができそうです。短距離戦の最高峰の舞台で、存分にスピード勝負が見られるのは願ってもないこと。今年は、1分7秒前半くらいの高速決着になることを見込んでいます。

 今年の出走メンバーは、大波乱に終わった春のスプリントGI高松宮記念(3月27日/中京・芝1200m)でもしのぎを削ってきた馬が7頭参戦。そこに、サマースプリント王者のナムラクレア(牝3歳)、この距離初参戦ながらマイルGI馬であるシュネルマイスター(牡4歳)が加わる、といった図式。それぞれ、未対戦の馬も多いので、実力比較はなかなか容易ではありません。

 それでも、重賞2連勝中で、昨年のスプリンターズSでも4着と奮闘したメイケイエール(牝4歳)が人気を集めそうです。

 3歳時には気性の難しさから、レースでの操縦性に課題を抱えていた馬ですが、池添謙一騎手とコンビを組むようになってからは、とてもスムーズに競馬ができるようになって安定感が増してきました。

 特に前走のGIIセントウルS(9月11日/中京・芝1200m)のように、周りに馬がいない状況でストレスなく走れた時は、とにかく強いです。タイムトライアルのような競馬をさせれば、この馬の能力が一番、という考えには僕も異論はありません。

 問題は、中山・芝1200mで近走のようなスムーズな競馬ができるかどうか。

 中山・芝1200mはスタート直後が下り坂でスピードが出やすく、外枠の馬も内へ、内へときれ込んでくるので、非常にごちゃつきやすいコースです。他馬と馬体が接触するのも当たり前です。

 そこでもし、激しい攻防になったらどうなるのか。メイケイエールはそれでも"気性難のスイッチ"が入ることなく、競馬ができるのか。一抹の不安があります。

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