グルメと競馬を堪能。夏の北海道「旅打ち」は低予算でも楽しめる

  • 新山藍朗●旅人 Traveler&text&photo by Niiyama Airo

「夏競馬」珍道中~北日本編(10)

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3つの競馬場を回った北海道の「旅打ち」も無事終了。photo by AFLO3つの競馬場を回った北海道の「旅打ち」も無事終了。photo by AFLO 盛岡から札幌、帯広、門別とめぐってきた「北の旅打ち」。

 帰りも、函館発の深夜フェリーで津軽海峡を渡って、朝一番の列車で青森駅を出発した。

 7月29日に上野を出発してから、船中2泊、野宿1泊を含む、6泊7日の旅。移動の際の中心となったJRの「おトクなきっぷ()」は、有効期限の7日間を丸々使い切った。
※1週間の有効期間内なら、JR東日本とJR北海道の普通列車が乗り放題という「北海道&東日本パス」。値段は1万850円。

普通電車に乗っての「旅打ち」。停まった駅の数は348普通電車に乗っての「旅打ち」。停まった駅の数は348 この間、ずっと乗り続けた各駅停車の列車は、いったいいくつの駅に停まったのだろう。上野から青森間が86で、札幌→帯広間が45。どちらも往復だから、×2で262。これに、門別競馬場に行ったときの札幌→富川間の18、帰路に利用した札幌→函館間の68を足すと、なんと合計348。山手線が29駅だから、ちょうどその12倍だ。

 それが、どれほどのことかは想像してもらうしかないが、旅行中、競馬をやって、何か食べて、寝ているとき以外は、ずっと電車に乗っている、そんな感じだ。

「手づくり」と言えば聞こえはいいが、その実、無駄と遠回りばかりしてきた。しかもこんなに疲れる旅は、おそらく1970年代の北海道に湧くようにいたという「カニ族()」以来、誰もやったことがないのではないか、幾分の皮肉を込めて、そう思う。
※1960年代~1970年代、横長の大型リュックサックを背負って、低予算で旅をしていた若者たちの俗称。今で言うバッグパッカー。

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