【競馬】スプリンターズSの穴は、人気落ちの素質馬ティーハーフ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 秋のGIシリーズの幕開けとなるスプリンターズS(中山・芝1200m)が10月4日に開催されます。いよいよ本格的な秋競馬に突入ですね。

 昨年は新潟競馬場で行なわれたスプリンターズS。今年は、本来の舞台である中山競馬場に戻って開催されます。その中山コースですが、この秋は芝のコンディションが非常にいい、というのが特徴のひとつです。

 9月には大雨にも見舞われて、馬場の維持は大変だったと思うですが、昨年から取り入れているエアレーションとシャタリング()の効果が大きいようですね。水はけもよくなって、多少の雨なら良馬場で行なわれています。また、クッションがより効いて、速過ぎる時計が出ないため、馬にも優しく、関係者からの評判もすごくいいみたいです。
※ともに芝生を活性化させる作業のひとつ。エアレーションは、地面に穴を開けて空気を供給し、芝生の育成を高めること。シャタリングは、地面に切れ目を入れて、地面を掘り起こして透水性を良くすること。

 さて、今やスプリント戦線は混沌としていて、今回の出走メンバーにも、かつてのロードカナロアやカレンチャンのような絶対的な存在がいません。まさしく"戦国の様相"といった状況にあります。が、現状で考え得る有力馬が勢ぞろい。見応えのある一戦となりました。

 そんな中で、まず人気を集めそうなのが、ベルカント(牝4歳)です。千直のアイビスSD(8月2日/新潟・芝1000m)を勝利すると、続く北九州記念(8月23日/小倉・芝1200m)も勝って重賞2連勝。その結果、サマースプリントシリーズ()のチャンピオンにも輝いて、今の勢い、上昇度では一番と言える存在ではないでしょうか。
※夏競馬を盛り上げるために2006年から行なわれている重賞のシリーズ戦。6月~9月に開催される指定重賞での成績をポイント化し、その総合得点を競うもの。芝のスプリント戦(1000m~1200m)を対象にしたものが『サマースプリントシリーズ』。

 ベルカントは、昨春のフィリーズレビュー(2014年3月16日/阪神・芝1400m)を制して以降、およそ1年半、勝ち星がありませんでした。そのため、「早熟だったのかな」と思っていましたが、アイビスSDでは、それまでの一本調子だった競馬とは打って変わって、溜めの利いた味のある競馬で快勝。ひと皮むけた感じでしたね。

 千直というのは、直線コースで、JRAのレースでは最も短い距離で争われるため、一般的には「単純で淡白なレース」といったイメージがあるかもしれません。しかし、そうした印象とは真逆で、実は繊細な駆け引きもあるレースなんです。

1 / 3

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る