【競馬】スプリンターズSの穴は、人気落ちの素質馬ティーハーフ (3ページ目)

 岩田騎手は、コースの特性、馬場のバイアスによって、積極的かつ変幻自在に騎乗馬の持ち味を発揮できるよう、レースに対応していきます。そして、そのジャッジが非常に優れたジョッキーですね。2012年のジャパンカップ(東京・芝2400m)、8枠15番のスタートながらスッと内をついて、最後はオルフェーヴルとの叩き合いを制したジェンティルドンナの騎乗がいい例です。

 セントウルSでもそうでした。ただし、セントウルSはあくまでも今回に向けての叩き台。今度は、ウリウリにも十分な上積みが考えられます。スプリンターズSでは、キレにキレる競馬を見せてくれるのではないでしょうか。

ティーハーフがスプリンターズSで波乱を起こす!?ティーハーフがスプリンターズSで波乱を起こす!? 他にも有力馬や面白い存在がいますが、今回の『ヒモ穴馬』について話を進めましょう。前走のキーンランドC(8月30日/札幌・芝1200m)で3着に敗れて、人気を落としそうなティーハーフ(牡5歳)を取り上げたいと思います。

 そもそもティーハーフは、新馬勝ちしたあとに函館2歳S(2012年7月14日/函館・芝1200m)で3着と好走し、3歳時にもオープンの葵S(2013年5月12日/京都・芝1200m)を勝利するなど、スプリンターとしての素質があった馬。ただ、古馬になってからは、決め手はあるものの、何か物足りないレースが続いていました。そのため、成長度合いには疑問を持っていました。

 ところが、5歳になった今春、1000万条件の千種川特別(4月19日/阪神・芝1200m)で、今まで見られなかった好位からの競馬をして、終いもしっかり伸びて完勝しました。この勝ち方には「おッ」と思うところがありましたね。もともと素質のあった馬ですから、それ以降、準オープン、そして重賞の函館スプリントS(6月21日/函館・芝1200m)と連勝したのも納得です。

 それで、もし前走も勝っていれば、おそらくGIの舞台となる今回も、1番人気に推されていたでしょうが、鞍上はまだ経験の浅い国分優作騎手。前走で敗れて、人気を落とすことはかえってよかったと思います。1番人気でレースを迎えていたら、無難な競馬をせざるを得なくなりますが、人気がなければ、思い切った競馬ができますからね。

 国分騎手にはぜひ、勝ちにこだわった積極的な騎乗を見せてほしいと思います。大舞台での一発を期待したいですね。

ティーハーフの他にもいるぞ衝撃穴馬!
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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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