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【競馬】中小牧場の活性化へ。外国人牧場長から「日本」への提言 (2ページ目)

  • 河合力●文 text&photo by Kawai Chikara

 繁殖牝馬は、基本的にほとんどの年で種付けが行なわれている。つまり、受胎していない期間は少なくて、繁殖牝馬を海外から輸入するとなると、大抵は340万円の関税がかかることになる。

「日高地方(北海道)の小さな牧場が大牧場に対抗するには、繁殖牝馬のレベルアップが不可欠です。そのためには、もっともっと海外からいい繁殖牝馬を輸入する必要があります。でも、大金を要する関税のおかげで、それが容易にできません。できることなら、この関税をなくしてほしいと思っています。これは、あくまでも要望ですよ(笑)。もちろん、その要望が通れば、生産者はすごく助かりますし、大変喜ばしいことですけどね。この問題については、今行なわれているTTP()交渉によって解決するかもしれません。そうなれば、牧場としてはうれしい限りです」
※日本、アメリカを中心とした環太平洋地域による経済連携協定。

 中小規模の牧場が活気づくためには、繁殖牝馬と同様に、種牡馬についても「いろいろと改革してほしい」と、スウィーニィ氏は語る。

「繁殖牝馬のレベルアップが可能になったら、次に重要なのが、その繁殖牝馬に配合する種牡馬。日本では、いろいろな機関で種牡馬が繋養されていますが、特に私たちのような日高地方の牧場と関係が深いのは、JBBA(日本軽種馬協会)です。JBBAは公益社団法人で、いわば国のお金で種牡馬を購入しています。そのため、比較的安い金額で種付けをさせてくれるので、日高地方の小さな牧場は重宝しています。が、JBBAの種牡馬の成績があまり芳しくはありません。希望としては、ここの種牡馬の質をもう少し上げてもらえれば、と思っています」

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