【競馬】フローラSは、混戦オークスの「ヒロイン」候補に注目

4月特集 春競馬、クライマックス(16)

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 牝馬、牡馬クラシックの第1弾、桜花賞、皐月賞が終了しましたが、休む間もなく、クラシック第2弾となる、オークス(5月24日/東京・芝2400m)、日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)に向けての戦いがスタート。今週からはいよいよ東京開催も始まって、それらのトライアル戦に注目が集まります。

 4月26日には、オークストライアルのフローラS(東京・芝2000m)が開催されます。

 牝馬戦線は当初、ルージュバック(牝3歳)が圧倒的な支持を得て、「一強」といった様相でした。ところが、そのルージュバックが桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)で9着と惨敗。さらに、他の人気馬たちもことごとく馬群に沈みました。また、勝ったレッツゴードンキ(牝3歳)もNHKマイルC(5月10日/東京・芝1600m)に向かう話もあるようで、オークスは一転、混戦模様となってきましたね。

 となると、このフローラSから本番で"ヒロイン"となる馬が出現するかもしれません。その可能性を最も感じるのは、まずディアマイダーリン(牝3歳)です。

 前走のフラワーC(3月21日/中山・芝1800m)では、3着に敗れてしまいましたが、当日は内が有利のトラックバイアス(馬場状態の傾向)で、マイペースで逃げて勝ったアルビアーノ(牝3歳)には絶好の条件でした。逆に、差し馬のディアマイダーリンにとっては厳しい展開となり、その差が結果に表れたと思います。

 しかも賞金を加算させるため、ディアマイダーリンは半ば仕方がなく、本来のスタイルとは違って、自ら前の馬をつかまえに行く競馬をしました。おかげで、最後に強襲してきた2着アースライズ(牝3歳)にまで漁夫の利をとられてしまいましたが、3連勝を飾ったアルビアーノとはコンマ2秒差。ディアマイダーリン自体は、相当強い競馬を見せてくれたと思います。

 今回は、鞍上が横山典弘騎手に戻ることも、強調材料ですね。先日の皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)でも、横山騎手はクラリティスカイ(牡3歳)の手綱をとって、5着と好走(10番人気)。これは、彼だからこそ、成すことができたと思います。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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