【競馬】躍進必至のネオ、ステイ産駒。3年目のディープ産駒に分厚い壁!?

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

ディープ産駒のラウンドワールドを蹴散らして、デビュー戦を快勝したネオユニヴァース産駒のトーセンパワフル。ディープ産駒のラウンドワールドを蹴散らして、デビュー戦を快勝したネオユニヴァース産駒のトーセンパワフル。 この春の3歳クラシックでは、ディープインパクト産駒の強さばかりが目立った。

 牝馬の桜花賞とオークス、牡馬の皐月賞とダービー、計4つのレースで3勝して2着3回。馬券圏内の3着までに入った12頭のうち、8頭までがディープ産駒だった。まさに「ひとり勝ち」と言える勢いを見せた。

 種牡馬3年目の今年は、産駒数117頭。1年目(147頭)、2年目(137頭)よりやや数は少ないものの、相変わらず繁殖相手には名牝級がそろった。セレクトセールで3億6000万円と、一頭だけ抜けた高値をつけた、母エアグルーヴの牝馬(馬名未登録)をはじめ、期待値の高い馬はここに書き切れないくらいいる。

 実際、例年より1週早く始まった新馬戦でも、その初日(6月2日)に、ドリームパスポート(皐月賞2着、ダービー3着、菊花賞2着)を半兄に持つラウンドワールドがデビュー。そのレースでこそ3着に敗れたが、次の未勝利戦を鮮やかに勝利して、早くも「クラシック級」との評価を集めている。

 もともとディープ産駒は、秋以降のデビュー組に大物がいると言われ、この時期にデビューする馬は、能力や将来性よりも、仕上がりの早さが買われることが多い。つまり、素質的に「横綱級」「大関級」と評価される馬は、この時期、今後のデビューに備えて黙々と調教に励んでいる。にもかかわらず、早くもこれだけの馬が出てくるのだ。それだけ見ても、ディープの3年目産駒の層の厚さとレベルの高さがうかがえる。少なくとも、2年目産駒が作り出したクラシックロードを席巻する勢いは、3年目の現2歳世代で、さらに増すことはあっても衰えることはないだろう。

 だが、今年は「ディープのひとり勝ちは許さない」といったムードが感じられるほど、他の有力種牡馬たちの産駒も、なかなか見どころがある。

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