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【競馬】躍進必至のネオ、ステイ産駒。3年目のディープ産駒に分厚い壁!? (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

 その筆頭が、ネオユニヴァース産駒。2歳戦が始まる前、「今年はいい」と競馬関係者やPOGファンの間でも評判になったほどだ。

 なにしろ、ネオユニヴァースは初年度からアンライバルド(皐月賞馬)、ロジユニヴァース(ダービー馬)という2頭のクラシックホースを出しているが、今年の2歳馬は、その2頭がクラシック戦線で頭角を現したあとに、種付けされた世代だからだ。現2歳の産駒数は、前年度より約80頭も多い191頭におよび、その数字から種付け時の人気の高さがうかがえる。そして、それだけ有力馬が控えている証でもある。

 興味深いのは、先に紹介したディープ産駒のラウンドワールドが3着に敗れた新馬戦。そこで人気を二分したのが、ネオユニヴァース産駒でロジユニヴァースの全弟にあたるトーセンパワフルだった。結果は、トーセンパワフルの完勝。むろん、この1戦で、この2頭の勝負づけが済んだとは思わないが、「ディープの独走に待ったをかけるのは、ネオユニヴァース」という評判が、ただの評判だけではないことを示す一戦のように思えた。

 他にも、ディープ産駒同様、挙げればきりがないほど期待馬はいるが、強いて一頭挙げるとすれば、種牡馬ネオユニヴァースの名を世界に知らしめたヴィクトワールピサの全妹にあたる、母ホワイトウォーターアフェアの牝馬(馬名未登録)。この馬の注目度もかなり高い。

 ネオユニヴァース産駒に次ぐのは、ステイゴールド産駒だ。

 今春もゴールドシップが皐月賞を制して、ディープ産駒のクラシック全勝を阻み、ダービーでもフェノーメノが2着に食い込んでディープ産駒のワンツーを阻止した。産駒としてのディープの独走を封じている実績では、ステイゴールドが№1だ。しかも、三冠馬オルフェーヴルを出したという実績は、ディープをもしのぐ。

 そして今年の2歳馬は、ネオユニヴァースと同じように、産駒数が多いことが最大の強調材料となる。昨年の48頭に対して、今年はほぼ2倍の95頭。現役時代のイメージから、どこか半信半疑だった種牡馬としての評価が、ここに来てかなり強固なものになってきたということだろう。

 種牡馬としての成績は、必ずしも産駒数に比例しないとはいえ、数が多ければ、成功の確率が高くなるのもまた事実。その点では、48頭の現3歳世代から、皐月賞馬とダービー2着馬、さらにはオークス3着馬が出たのだから、産駒数が倍増した現2歳世代からはどれだけの馬が出てくるのか、期待は膨らむばかりだ。

 なかでも注目は、やはりドリームジャーニー、オルフェーヴルの全弟にあたる母オリエンタルアートの牡馬(馬名未登録)。これまで、母オリエンタルアートには6頭の産駒がいるが、そのうち父ステイゴールドはドリームジャーニーとオルフェーヴルのみで、2頭とも超A級馬となった。「奇跡の配合」とも呼ばれるこの組み合わせから、三度"大物"が輩出されるのか。興味は尽きない。

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