アジア杯ライバル国分析。アギーレJにアドバンテージなし

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 4年に一度、サッカーのアジア王者を決めるアジアカップが1月9日、オーストラリア・メルボルンにて開幕。開幕戦で、開催国のオーストラリアが4-1でクウェートに快勝した。

地元開催大会で優勝を狙うオーストラリア代表地元開催大会で優勝を狙うオーストラリア代表 日本は4年前の前回大会優勝に続く2連覇を狙うが、アジア全体のレベルが上がってきており、どの試合も楽に勝たせてはくれまい。

 優勝争いのライバルとして、最初に挙げるべきは韓国だろう。しかし、その宿敵にはやや混迷の様子がうかがえる。

 そもそも韓国は、一昨年のワールドカップ(W杯)最終予選終了後に就任したホン・ミョンボ前監督が今回のアジアカップまで指揮を執ることになっていた。第2回大会以来となる55年ぶりの優勝へ必勝を期すはずだったのだ。

 ところが、ホン・ミョンボ前監督がW杯後に辞任。その後、後任にウリ・シュティーリケ監督が決まったものの、予定された監督交代ではなく、チーム作りにおいて順調さを欠いた印象は否めない。

 となると、最も警戒すべきは、やはり開催国のオーストラリア。ホームアドバンテージがあることはもちろん、昨年のW杯から引き続き、アンジェ・ポステコグルー監督が指揮を執っており、継続性においては日韓両国よりも強みがある。

 昨秋日本と対戦した親善試合を見ても、かつてのロングボール頼みの大味なサッカーは影を潜め、しっかりとパスをつなぐスタイルが浸透してきている。日本にとっては最大の強敵と見て間違いない。

 ただし、これらの優勝候補の力が抜けているかと言えば、決してそうではない。アジア各国の力は接近しており、イラン、ウズベキスタン、イラク、ヨルダン、カタールあたりが差のない2番手グループを形成している。

 実際、日本は前回大会で優勝しているとはいえ、グループリーグ初戦から苦戦の連続だった。決勝までの全6試合のうち、5試合が1点差以内で、決して日本が他を圧倒していたわけではない。

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