アジア杯ライバル国分析。アギーレJにアドバンテージなし (2ページ目)
今大会では日本はグループリーグの組み合わせに比較的恵まれたと言えるが、4年前同様、それほど簡単ではないだろう。
D組の日本がグループリーグで最初に対戦するのはパレスチナ。日本とパレスチナは昨年9月のアジア大会でも対戦しており、あくまで年代別代表同士の対戦ではあったが、サッカーのスタイルを考えるうえでは参考になる。
パレスチナのサッカーは、ボールを保持して攻撃を組み立てるのがその特徴。一般的にカウンター主体の他の中東勢とは一線を画す。
アジア大会では日本が4-0で勝利しているが、パレスチナを率いたマリアム・アブダルナセル監督は「このチーム(U-23代表)は若く、経験に乏しいが、トップチーム(A代表)はほとんどがプロ選手。アジアカップでの対戦では、日本はもっと難しいゲームになる」と自信をうかがわせていた。さすがに日本が負けるとは考えにくいが、名前から受ける印象ほど力の差はないと心得ておくべきだ。
続く第2戦で対戦するのが、グループ最大のライバルとなるイラク。8年前の前々回大会の優勝国であり、ポテンシャルはアジアトップレベルにある。
パレスチナ同様、日本はイラクとも昨秋のアジア大会で対戦し、1-3の完敗を喫している。8年前の優勝を知る経験豊富なベテランから、伸び盛りの10代までバランスよく選手が揃っており、個人能力、組織力ともに高い。グループリーグ最注目の一戦となる。
そして、最後に対戦するのがヨルダン。ヨルダンとは前回大会でもグループリーグで対戦し、後半ロスタイムにコーナーキックから吉田麻也のゴールで引き分けに持ち込むのが精一杯だったのだから、その実力は言うまでもないだろう。一昨年のW杯予選でも北中米4位(メキシコ)とのプレイオフに進出し、本大会出場まであと一歩に迫った。確実にアジアで5、6番手につけられる地力が備わっており、日本にとっては気の抜けない相手となる。
日本は首尾よくグループリーグを勝ち上がったとしても、その先で日程面での不利を抱えることになる。
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