パリオリンピック女子ゴルフ 永久シードプロが「笹生優花と山下美夢有なら金メダルも狙える」と言う理由
パリオリンピックの女子ゴルフ競技がまもなく開幕する(8月7日~10日/ル・ゴルフ・ナショナル)。日本からは、笹生優花と山下美夢有が出場し4日間の戦いに挑む。前回の東京大会では、稲見萌寧が銀メダルを獲得しているが、今大会でも日本選手たちのメダル獲得はあるのか。JLPGA永久シード保持者の森口祐子プロに、その可能性を聞いた――。
パリ五輪に挑む日本代表の山下美夢有(左)と笹生優花(右) photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 前回の東京大会では、アメリカのネリー・コルダさんが圧倒的な強さを見せて金メダルを獲得。今大会でも、金メダルの最有力候補と思われていました。実際、今シーズン序盤は出場試合で5連勝を達成するなど、絶好調でした。
ところが、6月の全米女子オープンで調子を崩し、前回大会とは違うバイオリズムでオリンピックを迎えることになりそうです。このネリー・コルダさんの突然の不調によって、"本命なき金メダル争い"といった様相にあり、日本の笹生優花さんと山下美夢有さんにも金メダル獲得の可能性は十分にあると思います。
その根拠を挙げるなら、今回のパリオリンピック代表選手決定の過程で見せた、ふたりの"狙ったタイトルに対する集中力の高さ"です。
笹生さんも、山下さんも、今シーズン序盤は調子が悪いわけではないものの、ともに未勝利。代表決定期限までおよそ1カ月の時点では、代表入りは微妙な状況でした。
しかし、ふたりはそこから、オリンピックゴルフランキングのポイントが高い海外メジャーでの優勝、あるいは上位に入っての逆転を狙っていって、笹生さんが全米女子オープンで優勝。山下さんは全米女子オープン12位タイのあと、全米女子プロ選手権でも2位タイに入って、五輪代表切符を手にしました。
よく、優勝を"狙いにいった試合"といったことが言われますが、それぞれのメジャー大会において、笹生さんと山下さんには優勝と、オリンピック出場権もかかっていたわけです。ただでさえ世界のトッププロが集うメジャー大会ですから、技術的には非常にハイレベルな争い。そのなかで、さらに優勝を狙っていって、実際に勝つ(あるいは上位に入る)、というのは並大抵の集中力やメンタルの強さがなければできないこと。それを実現したふたりですから、オリンピックへの期待も膨らみます。
1 / 2