金田久美子が振り返る「チーピンしか打てなかった」どん底の時期。ツアーで台頭する若手についても語る (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

(気持ちの面で)支えてくれていたと言えば、周りの人じゃないですか。地元の友だちだったり、ずっとお世話になっているマネージャーだったり。私が(愚痴や悩みを)ブツブツと言うのを聞いてくれたし。

 特に地元の友だちはゴルフのことを知らないので、プロゴルファーとして接してこないし、悪い時でもゴルフの話をしなくていいから、(一緒にいると)気がラクになれたというか。いろいろと話を聞いてもらったり、一緒に考えてもらったりして、そういうのは大きかったと思います」

――そういう友だちとの交流も含めて、「ギャルファー」と言われていた時代がありました。その頃、いろいろと言われたり、叩かれたりしていましたが、その時はどんな思いでいましたか。

「まあ、昔からそういうのには慣れているので。メンタルが安定している時は、気にならなかったんですけどね。自分のメンタルが安定していない時にそういう声が入ってくると、悲しいし、悔しいし......。

 見た目のことを言われるのは、仕方がないかなと思ってはいました。人それぞれ、好みや意見は違うので。けどやっぱり、事実と違うことを言われたりした時は悔しかったですね。『練習してない』とか『見た目ばっかり気にしている』とか。そういうの、結構言われたんですよ。

 でも実際は、飛距離を伸ばすために体重を増やそうと思って、(トレーニングも)やってしていたし。もちろん、練習だってやっていました。私は練習をしているのをひけらかすタイプでもないから仕方がないんですけど......、悔しかったですね。

 私は、自分のテンションを上げるために着たい服を着て、自分がすごく好きなブランドで派手なウエアも着たりしていますけど、その見た目だけで"ないことないこと"言われるのは、悲しかったし、悔しかったです」

――いろいろと言われたりしても、反論することはなかったですね。

「私は、成績で見返したかった。『ほら、見ろ』と言いたかったんです(笑)。だから、昨年優勝して、みんなが抱いている私のイメージとは違う結果を見せられたことは、すごくうれしかった。批判なんてまったくなくて。それで、よかったなと思いつつも、なんか逆にやりづらいというか。私、褒められるのも、慣れていないし(苦笑)。

 ただ、他のプロゴルファーとかアスリートって、ちょっと成績が出なかったりすると、(SNSなどで)いろいろと言われてしまうじゃないですか。そういうことって、自分のことだけじゃなくて、なくなってほしいなと思います。どんな選手もつらい思いしているだろうしなって思うし、成績が悪いからって私生活で遊んでいるわけでもないですし」

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