金田久美子が振り返る「チーピンしか打てなかった」どん底の時期。ツアーで台頭する若手についても語る (3ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

――ところで、金田選手は以前からジュニアの選手たちからも人気があって、全米女子アマで優勝した馬場咲希さんも10年前にイベントで会った時から「(金田選手は)気さくで優しいし、ずっとファンだった」と言っていました。

「あんな実力のある選手が、実力もない自分にそう言ってくれるのって、すごくうれしいです」

――そんな馬場さんを含めて、10代や20代そこそこで活躍している今の若い選手たちをどう見ていますか。

「素直に『すごいな』って思います。イケイケゴルフだし、勝っても泣かないし。いろんな意味で、すごいなって」

――金田選手はツアー初優勝までに3年かかりましたけど、最近の若い選手たちはプロ入りしてすぐに優勝したり、好成績を残したりしています。何が違うのでしょうか。

「身近な選手が結果を出すことで、『私もできる』っていうか、そういう相乗効果があるんじゃないでしょうか。もちろん、みんな上手いし、飛ぶようになっているのもあります。それに、イケイケゴルフでどんどんピンを狙っていきますし。

 それでも、距離が長かったり、グリーンが硬かったりすると、なかなかピンに向かって攻めていくことができないじゃないですか。そういうコースでは、マネジメントとか、経験値とかが必要だったりして。私が(樋口久子 三菱電機レディスで)勝てたのは、そういう面もあったのかな、と」

――そうなると、今勢いのある若手にベテラン選手たちが対抗していくには、マネジメントなどが重要になるということでしょうか。

「ショットの精度を上げることは当然必要ですし、パッティングが決まらないと勝てないですから......う~ん、何が重要になるんですかね。まあ、全体的にレベルアップしていかないと、今の女子ツアーでは勝てない、という状況になっていると思います」

――ご自身が若かった頃と今の若い選手との違いを感じることはありますか。

「これ、っていうのはないかもしれないですね。私も若い頃は、それなりにイケイケの部分がありましたから(笑)。でも、今のJLPGAは昔に比べて、若い子たちにとってやりやすい環境だろうなって思います。怖い先輩とかいませんし(笑)」

――プライベートな話も少し聞かせてください。オフの日は何をしていることが多いですか。

「ゆっくりしています。私、外に出たりとか、あそこに行きたいとか、そういうのがあまりないんですよね」

――意外と家でまったり派なんですね。

「そうなんですよ。ふだんは試合で遠征ばかりですから、家にはほとんどいないので。海外に行きたいとか、ハワイに行きたいとか、みんなよく言っていますけど、私は日本の自分の家にいるのがいいんです。たまに、温泉に行きたいっていうのはあるけど、その準備をするのが面倒くさい(苦笑)」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る