金田久美子が振り返る「チーピンしか打てなかった」どん底の時期。ツアーで台頭する若手についても語る (4ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

――家では何をしているのでしょうか。

「(飼っている)ワンちゃんと遊んで、散歩して、ゴロゴロして。あとは、家の片づけをしたりするのは嫌いじゃないので、スイッチが入ったら衣替えとかまで目いっぱいやっています」

――ゲームをやったり、テレビを見たりはしないのですか。

「ゲームはやり方がわからないので......。でも、インターネットや動画配信サービスなどでドラマは見ます。それで、結構現実逃避できるんですよ。調子が悪い時とか、何もしなかったら本当に落ち込んでしまうから、そういう時にドラマを見ると、それに集中できてゴルフのことを忘れられる。

 だから、一時期はずっと見ていたことがあります。けど、それで視力が落ちてしまったのか、(パットの)ラインが読みづらくなってきて。昨年の9月くらいから、あまり見なくなって、そうしたら10月に勝てたんですよ(笑)」

――最後に、昨年の11年ぶりの優勝まで「自分が理想としていたゴルファーになれていなかった」という話をしていましたが、今後もそこを目指していくのでしょうか。

「常に上位で戦える選手になりたい、という思いはずっと持っていたことで、これからもそういう選手になろうと思っています。この11年間、2勝目を目指してやってきたので、2勝目ができたら、かなりの達成感があるのかなって思っていたんですけど、そういう感じはほとんどなくて。でも逆に、それでよかったのかな、と。燃え尽きていなかったから。だから今後も、常に上位に顔を出せる(自らが)理想としていたゴルファーを目指してやっていこうと思います」

――2度目の優勝を飾って、何かしらの手応えを得られたのでしょうか。

「そうでもないんですけどね。でも、やっと新たなスタート地点に立てたかな、という感じはあります。だから、今年が勝負の年かなと思いますね」

――では、その今季の目標を教えてください。

「3勝目を目指してやっていきますけど、今度はあまり期間を空けずに結果を出したいですね。あとは、常に上で戦える成績を、一年間通してできたらいいなと思っています。そこを目標にして、オフにはいろんなことに取り組んでいこうかなと思います」

(おわり)

金田久美子(かねだ・くみこ)
1989年8月14日生まれ。愛知県出身。身長166㎝。血液型A。中学校1年生の時にはプロツアーで予選突破を果たし、その後も数多くのトーナメントでローアマを獲得。「天才少女」として名を馳せた。そして2009年シーズン、プロとしてツアー本格参戦。2011年シーズンにはフジサンケイレディスで念願のツアー初優勝を果たす。以降、勝利からは遠ざかっていたが、2022年シーズンに樋口久子 三菱電機レディスで11年ぶりに2度目の優勝を飾る。若手選手が躍動する女子ツアーだが、完全復活を遂げた今、2023年シーズンでの活躍が大いに期待される。

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