女子ゴルフ界のニューヒロインとなった菅沼菜々。なぜ2022年に大きく飛躍できたのか (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

――ツアーで全国各地を回っていると、各土地の美味しいものを食べる機会も多いとは思うのですが。

「私、意外と食に対する興味がなくて。ご当地ものを食べたい! という欲求があまりないというか......。あと、体調管理のために『生ものは一切食べない』という決まりを自分で設けているんです。それで、ご当地ものというと、お刺身とかお寿司とか、そういう生ものが多かったりするじゃないですか。そういうのもあって、なかなかその土地の名物を食す機会は少ないんですよね」

――生ものを避けるのは、体調を崩した経験があったのでしょうか。

「以前、生ものを食べて体調を崩して、試合を棄権したことがあったんです。それ以来、オフになるまでは『生ものは食べない』と決めています。焼肉を食べに行っても、ユッケとか馬刺しとか、そういったものは絶対に口にしません。魚はしっかり火を入れたものしか口にしませんし、お肉もしっかり焼きます」

――そうやって節制してきたことも、好成績につながった要因かもしれませんね。そして、トレーニングの成果もあって、2022年シーズンは獲得賞金(8619万8649円)も大きく増えました。生活が一変したりしたのでしょうか。

「まだオフに入ったばかりなので、何も変わっていません(笑)。逆に、何も変わらないことが大事かなと思っています」

――2023年シーズンに向けて、さらにはツアー初優勝のためにも、このオフにはどういった点に力を入れていく予定ですか。

「先ほども言ったように、勝負どころのパター。そして、アイアンのショットの精度を上げていきたいと思っています。2022年シーズンの成績におごることなく、今の自分に足りないもの、足りないところを、このオフに強化していきたいです」

――その他、何か具体的な課題があったりしますか。

「2022年シーズンを迎える前のオフには、30ヤードのバンカーショットをかなり練習して得意になりました。このオフには、50ヤードのバンカーショットと、苦手なフェアウェーバンカーからのショットの練習を重点的にやりたいと思っています」

――得意としているのは、アプローチとパター。

「私の生命線ですね。2022年シーズンも3パット率は1位だったので、そこは2023年シーズンも引き続き維持できたらと思っています。そうすれば、きっと優勝も見えてくるのかな、と」

(つづく)

菅沼菜々(すがぬま・なな)
2000年2月10日生まれ。東京都出身。身長158㎝。血液型AB。あいおいニッセイ同和損保所属。埼玉栄高卒業後、2018年にプロテスト合格。2022年シーズンは、多くの試合で上位争いを演じてメルセデス・ランキング8位とブレイクした。2023年シーズンでは、より一層の活躍が期待される。

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