女子ゴルフ界のニューヒロインとなった菅沼菜々。なぜ2022年に大きく飛躍できたのか (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

――常に上位で戦えることは本当にすばらしいことですが、ゴルフという競技ほど、2位=準優勝の成績が評価されないスポーツはないかもしれませんね。

「そうですね。2位でもテレビにはたくさん映りますけど、2位はあくまでも2位。優勝を逃したことには変わりませんからね」

――優勝への道のりを何度も経験されてきたとおっしゃっていましたが、優勝へ何が足りなかったのか、というのはご自身でどう捉えていますか。

「樋口(久子/女子プロ協会元会長)さんや、戸張(捷/トーナメントプロデューサー、キャスター)さんなどにも指摘されたことですが、『勝負どころのパターを決めること』と、もう少し『ショット力を上げること』。それらが、新シーズンで優勝するためには大事になると思っています」

――優勝にはあと一歩届かなかったものの、2022年シーズンは最終日の平均ストロークが1位(69.7762)。上位争いを演じるなかでの勝負強さは光っていたように思います。

「(最終日のスコアについては)特に意識はしていなくて、たまたまよかったんですけど、2020-2021シーズンは最終日の平均ストロークがかなり悪くて(69位/73.1471)、ギャラリーの方々をはじめ、いろいろな方から『最終日に(スコアを)落とすとチャンスはないよね』と言われてしまうことが多かったんですよね。

 そういった声に対して、見返すではないですけど、最終日まで体力が保持できるように(オフに)体力作りに力を入れてきました。走り込みや体幹トレーニングを頑張ったことが、そういった成績につながってよかったです。さすがにツアー1位というのは、びっくりしましたけど(笑)」

――2020-2021シーズンと比べて、2022年シーズンで大きく変わったことはあったのでしょうか。

「やはり体力面ですよね。2021年は手首の傷みもあったし、腰痛で棄権する試合もあったほど。でも、2022年シーズンに関しては、体のどこかに痛みが出るようなことが一度もなかった。ケガへのケアも含めて、しっかりトレーニングしてきたことがよかったと思います」

――シーズン終盤になると、体重減少に悩む選手が多かったりしますが、菅沼プロの場合はいかがでしたか。

「私も(体重は)落ちました。痩せちゃうと、飛距離にも影響しますし、疲労にもつながるので気をつけてはいたんですけど、なかなか(体重の)維持は難しくて......。たくさん食べて、プロテインも飲んでいるんですけど、やっぱり痩せてしまう......」

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